phototrendにCIPAがCP+で発表した2024年のカメラ市場の年次レポートが記載されています。
Rapport CIPA CP+ 2025 : un secteur en croissance dopé par la Chine, 1er marché mondial
2024年のデジタルカメラ市場動向:CIPAの最新レポート
カメラ業界団体CIPA(Camera & Imaging Products Association)が、2025年のCP+で2024年のデジタルカメラ市場レポートを発表しました。全体として、カメラの出荷台数は前年比10%増加し、中国市場の急成長が市場を牽引しています。
市場回復の兆し
2024年のカメラ出荷台数は約850万台(前年比+10%)。内訳として、コンパクトカメラは9.2%増(188万台)、交換レンズ式カメラは10.2%増(660万台)でした。特にミラーレスカメラの成長が顕著で、16%増の560万台に達しました。一方、デジタル一眼レフ(DSLR)は-14.4%減少し、初めて100万台を下回りました。
レンズの出荷も7%増加し、1030万本に到達しました。
カメラとレンズの平均価格上昇
カメラの平均価格は2023年の90,000円(約576ユーロ)から2024年は110,000円(約704ユーロ)へ上昇。特にコンパクトカメラは、40,000円(約256ユーロ)から60,000円(約384ユーロ)に大幅値上がりしました。対照的に、デジタル一眼レフの価格は低下し、40,000円前後に落ち着いています。
レンズの平均価格も上昇し、50,000円(約320ユーロ)に。特にフルサイズ用レンズは85,000円(約544ユーロ)と高額で、APS-Cやマイクロフォーサーズ用レンズ(20,000円/約128ユーロ)との差が広がっています。
中国市場の急成長
中国市場は前年比+24.5%と、最も大きな成長を記録しました。特に交換レンズ式カメラの出荷は30.5%増と飛躍的に伸びています。これにより、中国市場は交換レンズ式カメラのシェア26%を占め、欧米市場(各24%)を上回る規模に成長しました。
一方、日本市場は+11%、アメリカは+7.3%、ヨーロッパは+3.1%と、いずれも回復傾向にあります。
コンパクトカメラの回復と一眼レフの衰退
交換レンズ式カメラは全体の出荷台数の78%を占め、金額ベースでは88%に達しました。コンパクトカメラもわずかに成長し、全体の12%を占めるようになりました。
しかし、デジタル一眼レフのシェアは引き続き低下し、台数ベースで19%→15%、金額ベースで7%に縮小。製造するメーカーやモデル数の減少が影響しています。
レンズ市場:フルサイズが牽引
レンズ市場では、フルサイズ用レンズの価値が大幅に上昇。出荷量の48%を占めるものの、金額ベースでは79%を占めています。特にズームレンズの需要が高く、出荷量の60%、金額ベースでは73%を占めています。
地域ごとのレンズ購入傾向
2024年のレンズ出荷本数は1,030万本。ボディ1台あたりのレンズ購入数は1.65本で、日本(2本)、アメリカ(1.75本)、ヨーロッパ(1.65本)、中国(1.3本)と地域差が見られます。
2025年の見通しと中国市場の動向
CIPAの予測では、2025年の市場成長率は控えめで、全体で+1%、レンズ出荷は+2.4%の増加を見込んでいます。
また、2024年末に行われた中国市場の調査によると、若年層(29歳以下)はスマートフォンでの撮影が中心ながらも、ポートレートや風景、食べ物の撮影には交換レンズ式カメラを好む傾向が明らかに。今後のカメラ業界は、現在のユーザーの維持とスマホユーザーのカメラ移行を促すことが鍵となりそうです。
中国市場のデジカメ出荷量は前年比24%増と他地域を圧倒する伸びを見せています。2024年がこれだけ好調だったためか、2025年の見通しは慎重になっていますが、中国は1台当たりのレンズ数が他国と比べ少ないので、まだ伸びしろはありそうですね。
他にはカメラやレンズの単価がここ数年でかなり上昇しているので、世界的なインフレ傾向とはいえ消費者としてはそろそろ落ち着いてほしい所です。
コメント